目次
相談するこんな方におすすめ
- GA4を入れてはいるが、管理画面が複雑で結局見なくなってしまった方
- 数字を見て、で何すればいいの、で止まりがちな方
- ブログ記事をコツコツ書いているのに、問い合わせにつながらず悩んでいる方
この記事を読むと
Before:GA4のデータはあるけど活用できてない。管理画面を開くのが億劫で、CSVを落として分析するのも気力が続かない
After:GA4×AIで自社サイトの「流入はあるのにCVに繋がっていない構造的な問題」を特定し、具体的な改善アクションに落とし込んだ実例を追体験できる。自社でも同じことを試してみたくなる
GA4の画面を開くのが億劫になってる問題
GA4を導入している会社は多いですが、SEOが事業の本体ではない会社で、管理画面を日常的に見ている経営者や事業責任者の方はあまり多くないのではないでしょうか?
理由はシンプルで、見たい数字にたどり着くまでにぽちぽちするのがだるすぎることがあると思います。
探索レポートを開いて、ディメンションを選んで、フィルタを設定して、セグメントを作って。「先月のブログ経由のお問い合わせって何件だっけ?」を調べるだけで20分かかります。しかも「やっぱり90日で比較したい」となったら、また最初からやり直しです。
じゃあCSVをエクスポートして分析すればいいかというともちろん面倒です。データをBigQueryに同期してる会社でも、解像度が高い人ほど「あれも見たい、これも見たい」と次々に問いが湧くのに、毎回SQLを書くコストがある。書ける人でもフットワークが重くなります。
結局、ツール操作で体力を使い切ってしまい、「なんとなくPV推移は見てるんだが」で止まってしまい、「じゃあこのPVはお問い合わせに繋がってるの?」まで掘ることが日常化できないという問題が多いと思います。
自分も完全にこのパターンだったのですが、GA4のMCPサーバーを繋いでみたら、ここら辺が嘘みたいにサクッとで先に進んだので、実際の体験をレポートしていきます。
GA4にAIで話しかけてみた
最近、GA4とAIを直接つなげる「MCP(Model Context Protocol)」という仕組みがあります。Googleも公式でMCPサーバーを公開しています。
https://developers.google.com/analytics/devguides/MCP?hl=ja
MCPについてざっくり言うと、AIがGA4のデータに直接アクセスできるようになる「橋渡し」です。セットアップの手順は良い記事が他にたくさんあるので、ここでは割愛します。(あるいは、上記のURLを各自AIに渡して「セットアップして」と頼むのが良さそうです)
大事なのは、繋いだ先で何ができるかなので、この記事ではその話を続けていきます。
実際に弊社のGA4に繋いで「先月のオーガニック流入、ページ別で教えて」と聞いてみました。数秒で返ってきます。管理画面を一度も開いていません。自然言語で質問しただけです。
ここまでだと、AI驚き話で終わってしまうので、SEO観点で、事業に対して価値のある介入方法を考えていきましょう。
返ってきた流入データを眺めていたら、オーガニック流入がツール系のハウツー記事に大きく偏っていることに気づきました。弊社が本来届けたい「顧客理解」の文脈とは違うところに人が集まっている。
そこから「この人たちはどこに行ってるんだろう」「お問い合わせに繋がった人はどこを経由してるんだろう」と、問いが連鎖し始めました。
サイト全体の内部リンク構造を可視化した
流入の偏りに気づいたところで、次に気になったのは「サイト内の記事同士が、そもそもちゃんと繋がってるのか」ということでした。
これもAIに頼みました。「うちのブログの全記事をスクレイピングして、どの記事からどの記事に内部リンクが貼られてるか一覧にして」と指示したら、Pythonのスクリプトを書いて実行して、全記事の内部リンク構造を出してくれました。もちろんコードは書いてないです。
結果、かなりはっきりした断絶が見えました。
弊社のブログには「顧客理解」をテーマにしたハブ記事があって、ここを中心に関連記事を繋ぐ設計にしていました。UXリサーチ系の記事群は、このハブとしっかり相互リンクが組めていた。
一方で、ツール系の記事(Metabase、Cursor、KPIダッシュボードなど)やAI活用系の記事は、ハブと一切繋がっていませ。記事単体としては内容も悪くないし、実際に検索流入もある一方、内部リンクが弱すぎでした。読んで、「ふーん」で終わって、直帰する記事になってしまっていました。
カテゴリ別に見ると、顧客理解・インタビュー系の記事群はハブへのリンク率が9割を超えていたのに対し、データ分析系やAI活用系はゼロ。サイトの中に「繋がっている島」と「孤立している島」が共存している状態です。
これだけでも「あ、ここが詰まってるんだな」と分かったんですが、GA4のデータと突き合わせたら、さらに輪郭がはっきりしました。
GA4のデータと突き合わせたら、問題の核が見えた
内部リンクの断絶が分かったところで、次はGA4のデータを重ねてみました。「オーガニック流入の上位記事を教えて」と聞くと、さっきのスクレイピング結果と見事に重なる構図が出てきました。
検索で人が来ている記事は、ツール系のハウツー記事に集中しています。そしてそのツール系記事こそが、ハブと繋がっていない記事群でした。
つまり、検索で一番人が集まっている場所が、サイト内の「孤立した島」だったということです。
さらに「この人たちは記事を読んだあとどこに行ってるの?」と聞いてみると、ほとんどの人がその1ページだけ読んで帰っていました。流入上位の記事で、別のページに進んだ人は1割もいない。
一方で、ハブと繋がっているコア記事は、来た人の直帰率がほぼゼロでした。一安心。ちゃんと読まれているし、他のページにも回遊してくれています。
もう1つ聞いてみました。「お問い合わせページに行った人は、その手前でどのページを見てたの?」
返ってきた結果を見ると、お問い合わせに至る人の多くはトップページ経由でした。ブログ記事経由でお問い合わせまで来た人はごく少数。でもゼロではない。ツール系の記事からお問い合わせに到達した人が実際にいました。
導線がほぼないのに、自力でたどり着いてる人がいる。ということは、ちゃんと道を作れば、もっと増やせるはずです。
今までなら執念深くGA4と向き合わないと見えなかったこと
他にも面白い発見がありました。
とある記事について雑に分析して、と頼んだところ、Teams経由で特定の記事にアクセスが集中していた時期があったことを特定して教えてくれました。
こんな感じです。

しかもその中の1人がお問い合わせページまで到達していた。1年前に書いた記事が、知らない会社の社内Teamsで回覧されていたという仮説が考えられます。その記事には内部リンクは仕込まれておらず、もう少し、段階的に内部リンク設計できていたら問い合わせにつながっていたのに..。
今までなら執念深くGA4と向き合わないと見えなかったことがサクッとわかることが素晴らしいですね。
やると決めたこと
ここまでの分析で、問題の構造がはっきりしました。記事の質が悪いわけじゃない。検索流入もある。来た人がコア記事を読めばちゃんと回遊してくれるし、お問い合わせまで行く人もいるので、内部リンクの設計をもう少し頑張りましょう、という方向性が見えてきました。
なので、新しい記事を書く前に、まず既存記事の内部リンクを整備することにしました。
具体的には、流入が多いツール系の記事から、KPIダッシュボードや顧客理解のハブ記事へ自然に繋がるリンクを追加します。「Metabaseのグラフ選び」を読んだ人が「そもそもこのダッシュボードは誰のために作るのか」という問いに出会い、「顧客理解」の話に繋がっていく。そういう導線です。
記事の本文を書き直す必要はなくて、各記事に1〜2本のリンクを足すだけ。大掛かりな作業ではありません。
ここでもAIが使えます。microCMSにもMCPサーバーがあるので、AIに「この記事の本文にこのリンクを追加して」と指示すれば、記事の文脈に合った場所にリンクを入れてくれます。GA4で問題を見つけて、CMSで修正するところまで、同じ環境で完結することが可能です。
サイト全体の横断分析→GA4定量分析→施策実行 までAI(Claude)がハブとなって実際に終わらせてくれるのは素晴らしい体験です。
まとめ
今回やったことを振り返ると、やったことは3つだけです。GA4にAIで話しかけて流入の偏りに気づいたこと、サイト全体の内部リンク構造を可視化して断絶を見つけたこと、そしてGA4の回遊データで「配線の問題」であることを裏付けたこと。
GA4の管理画面は一度も開いていません。CSVのエクスポートもしていません。思いついた問いをそのまま投げて、返ってきた結果を見てまた次の問いが浮かぶ。そのサイクルが速く回ったから、20分ほどで構造的な問題の特定と改善アクションの策定まで到達できました。
ちなみにMCPのセットアップ自体もClaude Codeに任せたので、自分で環境構築に時間をかける必要はありませんでした。セキュリティ面が気になる方もいると思いますが、GA4のMCPサーバーは読み取り専用です。設定や構成が書き換えられることはないので、そこまで神経質にならなくていいかなと思います。
GA4×AIの本当の価値は「レポートの自動化」じゃなくて、この「問いの連鎖」が回ることだと思っています。
そして今回一番の学びは、問題が記事の質ではなく配線にあったということでした。記事を増やす前に、今ある記事同士をちゃんと繋ぐ。それだけで、サイト全体の動き方が変わる可能性がある。
データを見るハードルが下がる体験がかなりよかったので、時間がなくてなかなかGA4をじっくり見る機会がない方は、まずはGA4の画面は開かなくていいので、この記事をClaudeに読み込ませて『MCPの設定方法を教えて』と聞くところから始めてみませんか?
不明な点がありましたらお気軽にご連絡いただけますと幸いです。
参考リンク
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