目次
相談するこんな方におすすめ
- 会議後の議事録作成に毎回時間を取られている
- NotebookLMで議事録が作れると聞いたが、実際どこまで使えるか知りたい
- 個人では試したが、チームに展開する方法が分からない
議事録がチームの資産にならない問題
会議が終わったら議事録を書く。ドキュメントにまとめて、チャットで共有する。あるいは、議事録ツールやGoogleMeetの自動議事録docがMTG後にメールに届いている。ここまでは多くのチームで日常となっているのではないでしょうか?
議事録が後から活用されているかというと、意外に怪しいですよね。
よくあるのが「先週の定例で何が決まったっけ?」と聞かれて、誰もすぐ答えられないパターンです。議事録は書いたはずなのに、どのドキュメントに書いたか探すところから始まる。見つけても、書いた人によって粒度がバラバラで、結局その場にいた人に口頭で確認することになります。
もう一つが、議事録が「作って終わり」になっている問題です。共有フォルダに溜まっていくけど、誰も振り返らない。次の会議でも前回の決定事項を確認せずに同じ議論を繰り返してしまう..。
結局、議事録は「残すもの」にはなっているけど「使うもの」にはなっていない問題が起きがちです。
この問題への取り組みの最初の一歩として、NotebookLMの相性は抜群です。
なぜNotebookLMなのか
議事録作成にAIを使おうとすると、まず思い浮かぶのが社内のAIに会議の内容を貼り付けて要約してもらう方法だったり、議事録ツールが勝手に要約してきた内容が通知される、と言った体験が一般的ではないでしょうか?
これでも要約はできますが、毎回コピペして貼り付ける手間がありますし、過去の会議との横断的なやり取りはできません。先月の会議で何が決まったか聞きたくても、そのときの会話履歴はもう残っていないわけです。
NotebookLMが違うのは、アップロードした資料だけを根拠に回答する「ソース限定型」であることです。ネット上の情報を混ぜてこないので、「前回の会議でAさんが言ったこと」を聞けば、実際の発言ベースで返してくれる安心感があります。
もう一つ大きいのが、Google Workspaceの中で完結することです。ノートブックのURLを共有するだけで、チームの誰もが同じ情報に対して質問できるようになります。議事録を渡すのではなく、議事録に質問できるチャットボットごと渡すイメージです。
GitHubにドキュメントを格納してClaude Codeから参照できるようにする、みたいな方法も確かにあります(自社のスライドをClaude Codeから生成可能にした話で紹介しているような構成です)。でも、非エンジニアのメンバーが多いチームでそれをやるのは現実的ではないですよね。
NotebookLMなら「ここにファイル入れて、聞きたいことを聞いて」で済みます。導入のハードルが圧倒的に低いのが、チーム利用では一番ありがたいところです。
非エンジニアがAIを業務に組み込んだ事例としてはCursorで変わるAIのデータ分析活用もぜひご覧ください。
議事録ができるまでの最小手順
やることは3ステップだけです。
ステップ1:会議を録音する
オンラインならGoogle MeetやZoomの録画機能で十分です。対面ならスマホの録音アプリを使います。特別な機材も専用の議事録アプリも要りません。
ステップ2:NotebookLMにアップロードする
NotebookLMでノートブックを作成し、録音データや文字起こしテキストをソースとして追加します。音声ファイル(MP3など)をそのまま上げれば、自動で文字起こしされます。Google Meetの録画データをGoogleドライブから直接読み込むこともできます。

ステップ3:聞きたいことを聞く
チャット欄に「この会議の決定事項をまとめて」「ToDoを担当者ごとに整理して」と入力するだけです。特別なプロンプトの書き方を覚える必要はありません。普通の日本語で聞けば、ソースの内容をもとに回答が返ってきます。
「議事録を作成してください」と一言で聞いても、それなりにまとまった形で出してくれます。フォーマットを指定したければ「開催日時、参加者、議事概要、決定事項、ネクストアクションの順でまとめて」と付け加えるだけです。

できること・できないこと
普段から支援先のチームでNotebookLMを議事録運用に使っているのですが、今回は紹介用にダミーの商談議事録15件でノートブックを作り、何がどこまでできるのかを改めて整理してみました。商談議事録で試していますが、社内会議の議事録でもやれることは同じです。
できたこと
個別の会議内容の要約と決定事項の抽出
これは期待通りに動きます。「〇月〇日の会議で決まったことは?」と聞けば、ソースの発言を根拠に回答してくれます。回答には引用マークが付くので、元の発言をすぐに確認できるのもいいところです。

複数ファイルの横断検索
15件のソースを横断して「セキュリティに関する懸念が出た会議はどれか」のような質問にも答えてくれました。1件ずつ議事録を開いて探す手間がなくなるのは大きいです。

傾向の分析
以下の画像にあるように「顧客に課題に共通する点は?」という聞き方をしてみました。共通するテーマを拾い上げてくれます。個別の議事録を読んでいるだけでは気づきにくいパターンが見えてくるのは面白いところです。商談録音で同じことをやった事例はNotebookLMで営業の商談録音をチームで活かす資産に変えた方法で紹介しています。
以下の画像では、NotebookLMをGeminiに連携してGemini上で質問をしています。

数字で「何が起きているか」を把握し、議事録の発言で「なぜそうなっているか」の手がかりを得る。この定量×定性の組み合わせについてはビジネスにおけるデータ活用の進め方も参考にしてみてください。
未決事項の洗い出し
「まだ結論が出ていない論点をまとめて」と聞くと、複数の会議にまたがる保留事項を整理してくれます。定例会議が続くプロジェクトで、何が宙に浮いたままかを把握するのに使えます。

できなかったこと・限界
話者識別はできない
音声データをそのまま入れた場合などに出る課題ですが、NotebookLM自体に「誰が発言したか」を識別する機能はありません。音声データをそのまま入れた場合、発言者の区別なく文字起こしされます。1対1の会話であれば、文脈からの識別をする形AIに識別させることができますが、3人以上でのMTGなど、話者を分けたければ、事前にスピーカータグ付きのテキストを用意する必要があります。Google Meetの文字起こし機能を使えば話者ラベルが付くので、それを読み込ませるのが現実的な回避策です。
音質が悪いと精度が落ちる
対面会議をスマホで録音した場合など、雑音が多い環境だと文字起こしの精度が下がります。そうなると要約の質も当然下がります。
ソース数の上限がある
無料版は1ノートブックあたり最大50ソースですが、Google Workspaceで利用する場合(NotebookLM Plus)は最大300ソースまで拡張されます。チームで使うならGWS前提になることが多いので、かなり余裕があります。ただし毎日複数のソースがある場合はノートブックを分ける設計が必要です。
回答は毎回「正しい」とは限らない
ソース限定型なのでハルシネーションは少ないですが、ゼロではありません。特に複数のソースにまたがる質問では、文脈を取り違えることがあります。決定事項など重要な内容は、引用マークから元の発言を確認する癖をつけておくと安心です。
チームで使える形にする設計
個人で試して便利だと思っても、チームに広がらなければ結局属人化のままです。NotebookLMをチームの情報基盤にするために、押さえておきたいポイントがいくつかあります。
ノートブックの単位と命名
プロジェクト単位か、会議体単位でノートブックを分けるのがおすすめです。「PJ-A 定例」「採用MTG」のように、誰が見ても中身が分かる名前にしておきます。
ソースのファイル名も「2026-03-21_定例_Q2計画」のように日付・会議名・テーマを入れておくと、後から探しやすくなります。NotebookLMの検索精度はソースの書き方に引っ張られるので、この命名ルールを揃えておくだけで使い勝手がかなり変わります。この考え方はNotebookLMに社内ナレッジを集約してみたら何が変わった?で詳しく書いています。
共有設定
ノートブックはGoogleドライブと同じように共有範囲を設定できます。「このノートブックは開発チームだけ」「閲覧のみ」といった制御が可能です。
ポイントは、ノートブックを共有した相手もチャットで質問できることです。議事録のドキュメントを共有するのとは違い、情報に対して能動的に聞ける状態を渡すことになります。「議事録読んどいて」ではなく「ノートブック共有したから、気になることは聞いてみて」で済むのは大きな違いです。
Google Workspaceアカウントで利用する場合、アップロードしたデータがAIのトレーニングに使用されない点も、組織として導入する際の判断材料になります。
Gemini連携で「わざわざ開く」をなくす
2026年1月のアップデートで、GeminiのチャットからNotebookLMのノートブックを直接参照できるようになりました。
NotebookLMを別途開かなくても、Geminiのチャット画面で「+」ボタンからノートブックを選ぶだけで、蓄積した議事録をもとにGeminiが回答してくれます。

この「わざわざ開く」ハードルがなくなるのは、チーム定着において意外と重要です。ツールが別だと忙しいときにスキップされてしまいますが、普段使いのGeminiからそのままアクセスできるなら自然と使われるようになります。
まとめ
NotebookLMに議事録を入れて日常的に使っていて実感するのは、作るだけでなく「蓄積して横断的に使う」ところまで十分に実用的だということです。
- 個別の要約・決定事項の抽出は十分な精度
- 複数ファイルの横断検索・傾向分析ができる
- 話者識別やリアルタイム対応はできないので、用途を見極めて使う
- URL共有でチーム全員が議事録に質問できる状態を作れる
- GWS完結で非エンジニアでも導入しやすい
商談の録音をNotebookLMでチームの営業資産に変えた事例については、NotebookLMで営業の商談録音をチームで活かす資産に変えた方法で詳しく紹介しています。
非エンジニアでもAIを業務に組み込んだ事例は、Cursorで変わるAIのデータ分析活用もぜひご覧ください。音声データをテキスト化して活用する考え方については、考えをまとめる前に話し始めてしまう人がAIで武装すると?で書いています。
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